みなさんこんにちは。歯科衛生士の藤田です。
歯科衛生士にはたくさんの能力が求められますよね。
治療についての知識に始まり歯科医院独自のルールや患者さんの情報も頭に入れておかなければいけません。
その中でも特に定期的にメインテナンスを行う歯科衛生士だからこそ患者さんとのコミュニケーションスキルは必須です。
今回は私自身の経験も踏まえながらコミュニケーションのコツについて考えてみたいと思います。
すでに日々患者さんと円滑にコミュニケーションをとられているかと思いますが少しでも参考になれば幸いです。
なぜ大切?歯科衛生士のコミュニケーション力。

改めて、なぜ歯科衛生士にとってコミュニケーション能力が大切なのでしょうか。
私たち歯科医療従事者の目指すところは患者さんの口腔内の健康の維持です。
歯周病やむし歯は生活習慣病と言われるように、患者さんの生活習慣と大きく関わってきます。
初診の問診だけでは分からない癖や趣味嗜好なども大きく関わってくるのが口腔内の疾患です。
また全身疾患とも切っては切り離せないですよね。
糖尿病やアルツハイマー型認知症が歯周病と相互関係があるということも周知の事実となってきました。
それらの情報を詳しく聞き出すには信頼関係が肝です。
患者さん自身が意識していないことが口腔内の環境に大きな影響を与えていることも少なくありません。
継続的に通っていただくためだけではなく患者さんの健康の維持のためにもコミュニケーション能力は大切なスキルなのです。
コミュニケーションのコツを具体的に紹介

それではコミュニケーションのコツを3つご紹介していきます。
①患者さんの生活環境や趣味嗜好に寄り添う
何十年もの習慣や生活環境を変えるのはとても難しいもの。例えば「もちろんむし歯にはなりたくないけれど甘いものをゼロにするなんて無理」と考えている患者さんにいきなり「甘いものを食べてはいけません!」という指導をしてしまってはもう歯科医院に通いたくなくなりますよね。
私も担当患者さんで「喉が乾燥するから毎日飴を食べている」というご高齢の患者さんが何人かいらっしゃいましたが、飴をやめてもらうのではなく「ノンシュガーの飴」にしてもらうようにしていました。
また、普段の飴の味が気に入っている方には、完全に替えるのではなく、1日数回飴を舐めるのであれば、そのうちの何回かをノンシュガーに替えていただいたり、出先で歯磨きが出来ない時はうがいをしたり、寝る前には飴をやめてもらうなど、少しの工夫でストレスにならない方法を一緒に考えていました。
②患者さんが来院される前に前回のメンテナンスの内容や会話内容などを必ず確認しておく
前日に、翌日来院される患者さんのカルテチェックをしているクリニックも多いと思います。
美容院などに行った時に美容師さんが前回の会話の内容など覚えていてくれると嬉しいですよね。
それと同様に、ふとした会話などをメモしておくと患者さんとの信頼関係がより濃いものになります。
私も患者さんに趣味の話を伺い、車や旅行・読書などのお話をしていました。
③ご家族のことや生活環境について意識して会話をする
ご家族で定期的に来院されている患者さんもいらっしゃいますよね。
お子さんがいらっしゃる方は親御さんがメンテナンスに来院された際にお子さんについてお話しすると、お子さんの口腔環境のヒントになる情報を聞けることもあります。
お子さん本人の前では言いにくいことも話してくれるかもしれません。
ご夫婦でも同様です。
また引っ越しをしたり転職をしたりと生活環境の変化があると日々の口腔ケアが疎かになったり、食生活にも変化があるかも。
女性の場合、妊娠前にはカリエスの無かった方が出産後、夜間の授乳や慣れない育児にご自身のケアまで手が回らず、口腔内環境が変わる方も多いですよね。
まとめ

いかがでしたか?今回はコミュニケーションについてお話してきましたが、改めて歯科衛生士のお仕事は患者さんとの会話がいかに重要かがよく分かります。
院内のスタッフ間で、普段患者さんとどのような会話をしているか話し合ってみると思わぬ発見があるかもしれません。
今回の内容がみなさんの日々の診療にお役に立てれば幸いです。