街にはイルミネーションが溢れ、星空よりも地上が眩しいほど輝く季節の到来です。
シカジョの皆さん、クリスマスのご予定はお決まりですか?
家族や恋人、友人と一緒に過ごすもよし、お一人様時間を充実させるもよし。
もちろんお仕事に励む人もたくさんいるように、「クリスマス」の受け取り方はどんどん多様化しています。
そんなクリスマスの多様性を世界の食卓からちょっとのぞいてみませんか?
クリスマスを前に、患者さんとの会話にも使えるグルメな豆知識をご紹介いたします。
世界から見ると不思議な日本のXmasグルメ <チキン>
アメリカで感謝祭の象徴といえば「七面鳥」の丸焼きです。一方、七面鳥は日本では簡単に手に入るものではなく、また調理方法や料理器具にも馴染みがなかったため「チキン」が定着したといわれています。
ちなみに、「クリスマスにケンタッキーを食べる」という文化はキリスト教徒の多い国からは衝撃的だとか。クリスマスという特別な日に、大衆的なファーストフード店のチキンや唐揚げをメインにするというのは、驚きを隠せない文化だそう。
世界から見ると不思議な日本のXmasグルメ <ケーキ>
世界にはクリスマスに食べられるお菓子がたくさん存在しますが、「クリスマスケーキ」というケーキが販売されるのは実はごく一部の国だけなのだとか。
中でも、日本で一般的に目にするイチゴと生クリームの「ショートケーキ」デザインは完全な日本のオリジナル。これは1922年(大正11年)に洋菓子メーカーの『不二家』が初めてクリスマス限定の特別ケーキとして販売したのが始まり。紅白のコントラストがハレ感につながり、日本人にウケがよかった、など、デザインの定着には諸説あります。また、バースデーケーキのようにろうそくを灯すものも日本のクリスマスケーキならではの特徴だそう。
海外からは、「この時期にイチゴ?」「豪華すぎる!」「ケーキってクリスマスと関係あるの?」なんていう意見も。
チキンや七面鳥だけじゃない、世界のお肉料理事情。
日本ではチキン、アメリカは七面鳥がポピュラーなクリスマス料理ですが、地域や各家庭で独自の伝統的なクリスマス料理があるヨーロッパでは、実は「絶対にこれがメイン」というものは意外と少ないそう。
ドイツではガチョウや鴨も人気ですし、イタリアやフランスではホロホロ鳥やアヒルも登場します。また、フランスでは「シャポン」、イタリアでは「カッポーネ」と呼ばれる、去勢して太らせた雄鶏が高級食材として重宝されることも有名です。
さらに、フィリピンの「レチョン(豚の丸焼き)」やフィンランドの「ヨウルキンック(豚の塩漬け)」、各国のローストポークように豚を定番料理とする国も多く存在します。
ローストビーフはもちろん華やかなご馳走ですが、鹿やトナカイ、仔羊やウサギ、山鳥などのジビエ肉がディナーを盛り上げることもヨーロッパでは珍しくはありません。
鰻に鯉、マスにタラ?メインディッシュはお魚も活躍。
チェコ、ポーランド、ハンガリーやドイツの一部でクリスマスによく食べられるのは、実は「魚」。カトリック教徒が多い国々には、肉を絶って聖なる日を祝う、という意識があります。
鯉が基本ですが、パイクと呼ばれるカワカマスやニジマスなどの淡水魚も多く、切り身をフライにしたり、一匹まるごと姿煮にする調理法が人気です。
また、日本では夏のイメージも強い「鰻」ですが、厄払いや縁起物としてイタリアではクリスマスからお正月にかけてがハイシーズン。普通の鰻は「アングィッラ」とよばれますが、この時期は特別に育てられた「カピトーネ」という、雌の大鰻が登場します。
ノルウェーやポルトガル、イタリアでは乾燥や塩漬けにした鱈も煮込み料理としてメインディッシュになります。
Xmasグルメから世界の多様性を感じて。
クリスマスの起源はキリスト教ですが、現代のクリスマスは、さまざまな信仰を持つ人たちがさまざまな形で祝うホリデー・シーズンという側面もあります。
特に日本では信仰とはあまり関係なくレジャー化やビジネス化がされてしまい、あまり深く考えずに毎年クリスマスを受け入れている人も多いのでは。
クリスマスグルメからのぞく日本の不思議、世界の不思議を知って、視野を広げてみましょ♪