レイチェルのニックネームで知られている佐藤令菜さん。得意分野である歯周治療をベースにした訪問院内研修やセミナーで人気を博している。卓越したスキルはさることながら、持ち前の明るさと優れたコミュニケーション能力に惹きつけられる後進も多い。

PROFILE

佐藤令菜(さとう・れいな)

2007年、名古屋デンタル歯科衛生士専門学校卒業。2014年。日本歯周病学会認定歯科衛生士取得。2015年、フリーランスに転向。2016年、DHスタディグループFairies発足。2019年、株式会社Dental Fairy設立。院内研修事業を行う傍ら、愛知県名古屋市の高田兄弟歯科にて、臨床も行っている。

Dental Fairy
https://www.instagram.com/reichel.ram


― 佐藤さんと言えば歯周治療で有名ですが、以前から興味があったのでしょうか?

佐藤 フリーランスを志したくらいから何か看板がないとと考えていまして、元々好きだった歯周治療をレベルアップさせようと、日本歯周病学会の認定歯科衛生士を目指しました。当時はまだまだ取得されている方も少なく、周りからも「結構難しいよ」と言われたんですが、それで逆に火がつきまして、「絶対取得してやる!」と本格的に目指すことにしたんです。

― どのようにして勉強されたのでしょうか?

佐藤 当時勤務していた歯科医院に迷惑をおかけしないという条件で、休診日の木曜と日曜を利用して、名古屋の歯科サンセールさんと京都の牧草歯科医院さんにアルバイトという形で勉強させていただきました。特に、歯周治療という面では、日本歯周病学会の指導医でもある牧草一人先生にマンツーマンで教えていただき、セミナーにもスタッフの一人としてお手伝いに入らせていただいたりと、今でも大変お世話になっています。

― 牧草先生からの教えで印象に残っていることはありますでしょうか?

佐藤 いっぱいありすぎて一つには絞れませんが、解剖学の面から歯周治療を考えることができるようになったのは牧草先生のおかげです。解剖学的に考えてどういう風に治っていくか、悪くなっていくかを予測できるようになったことは自分にとって大きな進歩だったと思います。その他、歯科衛生士として以前に人としての在り方など、傍にいて本当に色々なことを教えていただきました。

― そこから時を経て、佐藤さんなりの歯周病治療やメインテナンスを確立されているかと思いますが、最も重要視されていることは何でしょうか?

佐藤 歯周病の治療はどうしても時間がかかります。しかも再発の可能性が非常に高い病気です。そのため、患者さんと長くお付き合いができる関係を作ることが大切だと考えています。患者教育やモチベーションアップのためのコミュニケーションはもちろん大切です。ただ、患者さんにもタイミングがあります。例えば、治療をしたいけど、仕事が忙しかったり、金銭的に難しかったり。そういう方でも通い続けていただくことで、いつかそのときが来るかもしれません。そのときにすぐに戦える準備を整えておくことが重要だと思います。

― 施術面で気をつけていらっしゃることはありますか?

佐藤 やっぱり患者さんに痛みを与えないことは、臨床においてすごく大切だと思います。色々と試行錯誤した結果、柔らかく触ることにいきつきました。施術時の丁寧さはもちろんですが、何か物を置くときにそっと置くとか、扉を閉めるときに最後まで手を添えて閉めるとか、普段の生活から柔らかい動きを心掛けています。炎症が強くてどうしても痛みを感じさせてしまう場合もあるのですが、必要以上に患者さんを怖がらせたり、嫌がらせたりすることがないよう努めています。

― 現在は、会社を設立して院内セミナー事業を行っておられますが、どのような研修を行っているのでしょうか?

佐藤 スタッフのモチベーションを上げてほしいとか、スキルの統一をしたい、システムの構築をしたいなど、クリニックごとに目的が異なりますので、事前にお話をお伺いした上で、オーダーメイドのカリキュラムで対応させていただいております。お金をいただいて呼んでいただいている以上、結果を出すことが求められますので、厳しい一面もありますが、私のセミナーは「とにかく楽しく」がテーマです。参加してくれた歯科衛生士さんに、この仕事は楽しいと思ってもらえるように心がけています。

― どれぐらいの歯科医院に訪問されているのでしょうか?

佐藤 私事ですが、昨年夏に出産しまして、現在は仕事自体をセーブしている状況ですが、東海地方を中心に、関東、関西、北陸エリアで15医院ぐらいは常に携わらせていただいています。単発で訪問するケースもありますが、ほとんどが年間だったり複数回のコースで長くお付き合いさせていただいていますね。

― 歯科衛生士向けのスタディグループも主宰されているそうですが?

佐藤 10年前に「歯周治療に強い歯科衛生士になる」というコンセプトで立ち上げ、これまで多くの日本歯周病学会認定歯科衛生士を輩出しています。あと、飲み会が多いという特徴がありますね(笑) 私を含めてお酒が好きなメンバーが多いので、二か月に1回開催する例会の後の懇親会、夏はBBQ、冬は忘年会や新年会など、事あるごとに飲み会を開催しています。そういった場での情報交換を通じて、同じ女性として子育てなどのライフスタイルの変化にどう対応していくかを考えられるというのも特徴です。

― 最後に、今後の展望を教えてください。

佐藤 訪問院内研修では、これまで通り楽しくやりがいを持って働ける歯科衛生士さんが増えるように取り組んでいきたいですね。また、子どもが1歳クラスに入るぐらいには臨床の日数を増やしていきたいと思っています。単純に臨床が好きだからということもありますし、教える立場の人間が臨床をしていなければ、それだけで説得力がなくなってしまいますので、臨床は続けていきたいですね。

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