企業で働く歯科衛生士のお仕事、現場からお届けします!
厚生労働省の調査では歯科衛生士の9割は歯科診療所で勤務しています(※)。
一方で、病院や保健所、市町村、介護保険施設、歯科衛生士学校など診療所以外で働いている歯科衛生士もいます。
ただ、割合が少ないだけに、謎に包まれた存在と思っている方も多いのではないでしょうか。
中でも、メーカーや商社など「企業」で働く歯科衛生士の割合はわずか1%以下と、とてもミステリアスな存在です。
今回は、企業歯科衛生士のお仕事紹介の第2弾!
株式会社歯愛メディカルの大阪ショールーム担当として働く歯科衛生士・原田彩子さんにお話を伺いました。
(※)参考:厚生労働省「就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/dl/kekka2.pdf
大阪ショールーム担当:原田彩子(さいこ)さん
プロフィール:はらださいこ/歯科衛生士/山形県出身。新大阪歯科衛生士専門学校卒業/歯科医院勤務や歯科衛生士専門学校の教員を経て、2021年5月株式会社歯愛メディカル入社、大阪ショールーム勤務。推しは「King & Prince」。

歯科衛生士になったきっかけ
私は子どもの頃から虫歯が多くて、高校時代は週一の休みを毎回歯医者に行かなきゃいけないぐらい歯科医院に通っていました。その通っていた歯科医院の歯科衛生士さんがベテランで頼れる人だった記憶もあり、将来の進路を考える際に、漠然と医療関係や医療従事者に憧れるようになりました。
ただ、高校の先生からのアドバイスもあり、一旦は資格なしで歯科助手として地元・山形県の歯科医院に就職しました。高卒からそのまま約4年間勤務しましたが、田舎特有の自由な環境の中で業務を覚えるうちに、歯科の仕事が楽しいと感じ始めて、歯科衛生士の先輩から教科書を借りたりして歯科に関する勉強を始めました。
4年目に突入した時に、「この仕事を一生続けてもいいな」と思い国家資格を取ろうと決めました。働きながら通える学校を探して、夜間部のある大阪の歯科衛生士専門学校に入学。アルバイト先として学校から紹介してもらった歯科医院で毎日3時まで働いて、夕方4時半から授業という生活を3年間続け、無事に衛生士資格を取りました。
企業でライセンスを生かそうとしたきっかけ
専門学校を卒業した後は、アルバイトをしていた歯科医院にそのまま就職し、2年間勤務しました。学生時代からトータルで5年間ほど経って、次のステップを考えている時期に、歯科衛生士専門学校時代の担任だった先生から専任教員として働かないかとお話をいただき、約3年母校で教えることになりました。
教員の仕事はやりがいを感じ充実していましたが、結婚のタイミングで退職して自宅近くのクリニックで1年半ぐらい歯科衛生士として勤務しました。ちょうどコロナ禍に重なった時期で、30歳も過ぎて、働き方に関していろいろ考えるようになったタイミングで転職活動を行う中、たまたまCiメディカルのショールームの求人を見かけました。
もともと教員をしていたこともあり、歯科衛生士のライセンスが生かせるのであれば、臨床に限らずいろんなものに挑戦したいと思っていたので、応募し採用に至りました。

ショールームのお仕事とは
ショールームは、通信販売企業にとっては顔や窓口になるポジションなので、毎週他部署も参加するショールーム会議が設定されているなど、会社からも重要視されています。私は入社当時からずっとショールームで接客対応をしていますが、来場される方は、目的も業種もさまざまです。歯科医師以外にも、衛生士や技工士、それ以外のスタッフさんもいらっしゃいます。それから医科や動物病院やエステサロン、美容院などなど、Ciメディカルが展開しているどの業種の問い合わせが来ても対応できるように、すべてのカタログに知識が求められます。
現場では、来場されたお客様に必ず満足して帰ってもらえるように心がけてコミュニケーションをとっています。特に私の配属される大阪ショールームは営業部との関わりがとても密なので、大型機器に関する話があった場合は、一つも取りこぼさずに営業案件につなぐぞっていう意志を持って対応しています。
また、ふらっと来場くださった人にも、来てよかった、発見があったと思ってもらえるようにレイアウトや対応を工夫しています。特に、新商品は早めにショールームで実物が見られるようにしたいので、社内の商品デビューやセール情報にはアンテナを立てています。
具体的なお仕事の内容
私はショールームの中でも特に新規開業のお客様の対応をメインにしています。お客様には2パターンあり、1つは大型機材も含めて丸々新規開業のご相談をされるパターン。もう1つは、大型機器は他社さんで決まっている状態で材料だけを相談しにくるというパターンです。私はどちらも得意としています。
もちろん大型機器を一式揃えたいといった、より専門的な知識が必要な案件は、精通している営業マンにトスアップしますが、初めてご来場されて、そのままショールームで何時間も新規開業に関する相談を受けたりすると、責任をもって対応したいと思います。
お客様の安心感につながると判断した場合は、そのまま自分も営業マンとタッグを組んで対応していきます。
去年はショールームでファーストコンタクトを取ったお客様が、その後新規開業したケースが何件もありました。
ある日のスケジュール


歯科衛生士としてのスキルや経験が生きていること
新規開業をトータルで見た時に臨床経験のある歯科衛生士としての目線が役立つことはたくさんあります。消毒コーナーやバックヤード部分などは先生が勤務医時代にほとんど関与しない事が多いので、消毒液一つとっても先生方は何を選べばいいかわからない。そういった相談に乗りつつ、現場経験者として、本当に必要かどうかということも正直にお話できます。
これはもう、歯科衛生士ですと名刺を出した時点からのフィーリングですね。
Ciだけでなく他社さんの製品例や業界の現状も挙げて話していると、だんだんと先生方のこちらへの信頼感が上がってきて、「じゃあまとめてCiさんにお願いしようか」とか、「原田さんにお願いすれば消耗品も設備も揃えてくれるね」と言っていただけることがあります。
正直、私は歯科衛生士としての臨床歴自体はそこまで長くはありません。ただ、18歳から歯科の現場に入って、教員時代は学生たちの実習先として40件以上の歯科医院を訪問し、いろいろな院長先生や歯科衛生士さんたちとお話をしてきました。
ですので、歯科医院のたくさんのパターンを知っているという点も、今の仕事に生きていると思います。

後輩からみた「原田センパイ」!
原田さんの信頼度はショールームの中でもダントツです!私の営業先である先生方からも「あのよく知ってる原田さんね」と言われるほどです
大阪営業所・藤原
やりがいを感じる瞬間
基本的に、ショールームから営業案件に繋げられるかは自分の対応次第と思っています。
例えば、「ちょっとレントゲン見せて」と、ふらっとご来場された先生にレントゲンの説明をして、その後営業マンにトスアップした案件がご成約となった時は本当にやりがいを感じます。
逆に、説明した後に見積もりの制作も今はいらないと言われると、魅力的な提案や説明ができなかったのかなって反省しますね。
それから、商品企画の面でもやりがいを感じます。現場の声をショールーム会議で報告して、それが商品開発に採用されて、新商品になるのはすごく嬉しいです。
最近で言うと、Ciのチェアユニット「コンフォートジェントル」のテーブルに引くシリコンマットです。お客様や営業マンからの要望が多かったので、議題に挙げたところ発売が決まりました。現場で必要とされているものを商品企画部にプレゼンして、マーケットにリリースできることに、喜びを感じました。
夢と目標
学生時代に某大手歯科メーカーで働く先輩がいて、私にとって高値の花という存在でした。その先輩がとても花のある方だったこともあって、企業で働く衛生士さんへの憧れみたいなのがありました。Ciで働く歯科衛生士が、歯科衛生士の学生さん達から憧れの存在みたいな感じになれたらいいなって思っています。

まとめ
企業で働く歯科衛生士は大変珍しい存在ですが、臨床現場では経験出来ないことに日々やりがいをもって取り組んでいます。
歯科衛生士のお仕事は多岐に渡り、歯愛メディカルでも歯科衛生士資格をもつ人は大募集中です。一方で、歯科衛生士には歯科医院に雇用される他、フリーランスとしての道やさまざまな選択肢がありますよね。
バリエーション豊かな進路や可能性を知って、皆さんの理想の働き方や将来的なビジョンの参考にしていただければ幸いです。
